くじけそうになったときの推し『刑務所のルールブック』
タイミングばっちり
私は通訳・翻訳の仕事をメインにしている。しかし、年末に生命線ともいえる部位を手術して、現在自分なりにリハビリに励んでいる。そんな私にドンピシャで舞い込んできた『刑務所のルールブック』。
タイトルに「刑務所」という文字があり、メイン・イメージも暗い。それ故、韓国ドラマの王道を行くラブコメを好む視聴者は避けて通りやすい作品だろう。
しかし、このドラマは私のなかでは「推し」! ぜひ見てもらいたい。
あらすじ
主人公ジェヒョクはプロ野球選手で抑え投手。メジャーリーグへの挑戦が待っていた。
ある日、妹の家に向かっていたところ、妹に乱暴しようとした男を追いかけ、ボコボコにする。結果、ジェヒョクは刑務所生活を余儀なくされる。暴漢は脳死状態に陥り、そのうち死に至ってしまったのだ。
慣れるはずのない刑務所生活。だが、彼はさまざまな受刑者と刑務官に接しながら、いかに刑務所内で賢く(要領よく)過ごすべきかを体得し実行する。
そこにはまだまだ更生できず刑務所内でも犯罪を繰り返す輩もいる。彼らの標的になることが多々あるジェヒョクは、ある日、恨みを買って生命線の左腕が使えなくなってしまう。サウスポーの彼。野球選手としては致命的だ。
だが、彼はあきらめなかった。左腕がだめなら右腕を使うことにしたのだ。特別に設けてもらった練習場で猛特訓して刑期を終えた後の復帰を目指す。
周りの人々の大切さ
あらすじはざっとこんなところだが、彼が無事、復帰に向けて刑務所での生活を送るには周りの人々の助けがあった。
まずは親友ジュノ(チョン・ギョンホ扮)が刑務官としてジェヒョクを守り抜いてくれたこと。家族でもない限りこんなに友だちのために尽くす人間はいないだろう。さすが韓国ドラマ。ブロマンスのタッチで人と人のつながりを強烈に表現している。韓国の脚本家だからこそ描けた部分ではないだろうか。ちなみにチョン・ギョンホだが、すっかり見直した。線は細いが演技派だなと。
そして刑務官のペン部長(チョン・ウンイン扮)。受刑者のことを思って仕事をしている尊敬に値する刑務官だ。不自由な生活を送る受刑者たちが何を求めているかを正確に見抜いて陰で手助けをする存在。
ほかにも、ジェヒョクと同じ房には、さまざまなキャラクターの受刑者がいた。ヤク中毒やヤクザ、日本でも人気のあるチョン・ヘイン演じるユ大尉は後輩に暴力をふるって死に至らしめた濡れ衣を着せられ服役中。彼らはみな、徐々にジェヒョクと真の心のつながりを持つようになり、お互いに助け合って共生している。
所長もなんだか間抜けなお惚けキャラに見えるが、実は案外まともだったりする。
そんな周りの人々に囲まれ、助けられてジェヒョクは復帰という目標を胸に刑務所生活を送る。
私も入院生活を送るなか、コロナ禍で人手が足らずとてもじゃないけど普通ではできないことをやってくださる看護師さん、そして私が頼り、尊敬する主治医の先生に医療はもちろん、精神的にも助けられ無事年末までに退院し今は普通の生活に戻ろうとしている。本当に感謝しかない。うまく行かないときは誰かのせいにしたくもなるけど、その誰かのおかげで今こうやって喜怒哀楽を感じられる生活。こうやってまた日常が送れるなんてまさにブラボー! だよね。
Bravo, My Life!
http://program.tving.com/tvn/prisonplaybook/2/Vod/View/CLIP/EA_142463
<Bravo, My Life!> 歌手:Eric Nam
ネタばれになってしまうけれど、かれこれ5年前? のドラマだからいいよね。
ジェヒョクは受刑後、右腕としてマウンドに上がる。涙ながらに最終回を見た。
やればできる!
もちろんドラマだけれど、目標を失いかけても、自分ひとりじゃなくて、周りの人々の協力を得ながら復活はできる。リハビリも思うように行かずくじけそうにもなるけれど、いつかは復活してみせる。これまでも頑張ってきたから。ほんと、ドラマのように私の人生はブラボー! と叫びたい。この曲を聴きながらドラマの内容を思いだし、図々しくも自分に当てはめて復活に向けて頑張る日々。
韓国風に言えば「ファイティン」なのだ^^
くじけそうになったとき、ぜひこの作品で、笑って泣いて(タイトルに似合わず、かなり笑える部分満載)、自分らしく前進しましょう:)
写真・OST出所:tvN『刑務所のルールブック』公式ホームページ
http://program.tving.com/tvn/prisonplaybook/4/Contents/Html
그럼, 또 뵐께요(クロム ト ベルケヨ / では、またお会いしましょう) ^^ nib