nibsang’s blog

韓国ドラマを中心に、コチコチ語ります

『その男の記憶法(原題)』 主人公キム・ドンウクから見る自分

1. もの忘れ

世の中の動きを見るに、そろそろいいのかな? と、先日、およそ3か月半もの間、会うのを我慢していた베프(ベプ / ベストフレンド・親友)と夕食に出かけた。よほど特別なことがなければ週単位で会っていたので本当に久しぶりだった。

しばらく己を甘やかし、「楽さ」に慣れてしまったため、服はテキトー、マスクするからノーメイク。でも心はルンルンで。

 

感動の再会で話すことも積もり積もって一気にしゃべりまくっていたところ、驚くほどスッと今話そうとしたことを忘れてしまった。本当、ウソみたいに…。

たまにあることではあるが、昨年患ったことも関連してか、何かと不具合が出てくるたびに極度の不安に襲われる。

やっぱり人と話す機会が減ったし、脳みそが退化してるんだ…

ずん…と鬱(うつ)になったところ、ベプがひと言。

“色んなこと覚えてて、イヤなことを忘れられないよりよくない?”

 

さすが尊敬するわがベプ。

言おうとしていたことはすっかり忘れて、頭に浮かんだのが韓国ドラマ『その男の記憶法(原題)』(全16話 / 主演:キム・ドンウク、ムン・ガヨン / 韓国放送:2020.03~2020.05)。

視聴率はそれほどでもないけど、結構なコアファンがいるとのことで私も見はじめたドラマだった。

 

2. あらすじ

主人公のニュースキャスター、イ・ジョンフン(キム・ドンウク扮)は、1年365日、8,760時間をことごとく記憶する超常記憶症候群(すべてのことを忘れられない病気)を患っている。そのため、過去に恋人がストーカーによって悲運の死を遂げた瞬間、そのときの感情までをすべて覚えている。そんな彼は新たな恋愛などできるはずがない。

一方、一見自由奔放に見える女優ヨ・ハジン(ムン・ガヨン扮)は、ある事故により過去の記憶をすべて失っている。今現在のことを記憶するため、SNSに自撮りで近況をアップするのが日常だ。

そんなある日、ジョンフンのニュース番組にハジンがインタビューで生出演することに。

ある質問にハジンが答える。

“複雑なことはうんざりです。私は5つ、6つまで、そこまでだけ数えながら生きたいです”

固まるジョンフン。なぜその言葉を…? 

この言葉はジョンフンの耐え難い記憶のなかの1つだった。

ハジンはジョンフンが自分の忘れてしまった時間を埋めてくれるようでもあり彼に想いを募らせる。一方、自分の過去とそのなかにいたであろうハジン + 現在のハジンのはざまで複雑な心境のジョンフン。

生きるためにすべてを忘れなければならなかったハジンと、永遠にすべてを忘れることができないジョンフン。

果たして、2人の恋の行方は?

 

3. 適度が一番

2人が試練を乗り越えていく姿を見終え、昨今の状況を何気に振り返ってみると…。

もの忘れが激しくてやだな、年かな。あちこち痛いな、年かな。

となかなかポジティブに考えられない日々が続いてしまうこともあるけれど、逆に、ふともの忘れをする自分、テキトーな自分。これでいいのかもしれない。

そう言えば、私のフラメンコの先生は、かなりの割合で「こ・そ・あ・ど」で会話をされる。「アレがアレで、コレがソレでしょ? だからココは…」みたいに(笑)。そこで私たち生徒は爆笑しながら想像力をフル回転。おかげで楽しくダンス。でも先生は必要なところはキレッキレで美しくきめられる。

こういった適度なテキトーさが、心の健康に大切なのかもしれない。

100%じゃなくていい。締めるところは締めて、ありのままを受けとめること。

何事も適度が一番なのね。

 

4. 周辺キャラクターのあたたかさ

主人公ジョンフンを演じたキム・ドンウク。『コーヒープリンス1号店』(2007年 / 主演:コン・ユ、ユン・ウネ)でユン・ウネ“マイチャン!”と呼ぶ彼の姿を今でも鮮明に覚えている。かわいいキャラクターで、その演技力でもドラマを支えていた。映画からデビューして当時『コーヒー~』がドラマ初出演だったよね。

ハジン役のムン・ガヨンは『王(ワン)家の家族たち』(2013~2014年)に主演していたあの娘かぁ。当時すごくヒットしていた週末ドラマで、再放送も一生懸命見てたような…。

注目したいのは、ジョンフンが務めるテレビ局の局長、チーム長、後輩、そしてハジンの実妹でありマネージャーに所属事務所社長。それぞれがとにかくあたたかい。

会社を辞めない理由で上位を占めるのが「人間関係」とこの間どっかのニュースでも聞いたような気はするが、やっぱり人間関係は大切。しかも韓国社会だとかなり「蜜」! なはず。

ワハハ、ドキドキってわけではないけど吸い込まれ、落ち着いて見れるけどスリル感もあり、そしてしっとりしたドラマ『その男の記憶法』。

機会があればご視聴を。

 

5. OST

しっとりしたものばかりだけど、ドラマの雰囲気を感じるために。

『Find me in your memory』(Jooyoung) 

https://www.youtube.com/watch?v=Mqlj65nqChU

--しかし、このミュージック・ビデオ(ドラマでは第1話)に出てくるハジンのニュースインタビューの際の衣装が、韓国の女性キャスターのリアルを見せてくれている…(笑)。

 

最後に、いつも私の支えになってくれているベプにありがとうと伝えたい。

こんなとこで(笑)。

 

그럼, 또 뵐께요(クロム ト ベルケヨ / では、またお会いしましょう) ^^  nib